リスニングで主語を見失う人へ|S/Vだけ拾う訓練法
英語を聞いていると、
単語は少しずつ聞こえているのに、
結局誰が何をしたのか分からなくなる。
そんな悩みはありませんか。
途中までは追えている気がする。
でも、文が長くなると主語が消える。
気づけば、
誰の話なのか分からないまま聞き流してしまう。
この状態が続くと、
リスニングに対して強い苦手意識が生まれます。
自分は耳が悪いのかもしれない。
語彙が足りないのかもしれない。
センスがないのかもしれない。
そう感じる人も多いです。
ですが、実際にはそうではありません。
主語を見失う人の多くは、
英語の聞き方の順番がズレています。
問題は才能ではなく、
文の骨格の拾い方です。
英語は、
S(主語)とV(動詞)を軸に意味が進んでいく言語です。
ここを掴めれば、
多少聞き逃しても内容は崩れません。
逆に、
SとVを落とすと、
知っている単語が聞こえても意味はまとまりません。
この記事では、
- なぜリスニングで主語を見失うのか
- なぜ修飾語に引っ張られてしまうのか
- S/Vだけ拾う訓練法はどう進めればいいのか
- やっても伸びない人の共通ミスは何か
- 今日から回せる1週間の実践メニュー
を、実践ベースで詳しく解説します。
主語迷子を卒業したい人は、ぜひ最後まで読んでください。
目次
- リスニングで主語を見失うと何が起きるのか
- なぜ主語を見失うのか
- なぜ修飾語に引っ張られるのか
- S/Vだけ拾う訓練法
- 実際にどう拾うのか文で確認
- 伸びない人の共通ミス
- 1週間の実践メニュー
- よくある質問
- まとめ
リスニングで主語を見失うと何が起きるのか
まず知っておきたいのは、
主語を見失う問題は、
単に一部が聞き取れないというレベルではないことです。
主語を落とすと、
文全体の理解が連鎖的に崩れます。
誰の行動か分からなくなる
たとえば、
He told her that his manager wanted to change the plan.
この文で主語の流れを掴めないと、
誰が言ったのか、
誰が変えたかったのかが曖昧になります。
英語リスニングでは、
単語の意味が分かるだけでは足りません。
誰がその動作をしたのかを追えて初めて、
意味理解になります。
途中から内容を予測できなくなる
主語が分かっていると、
次に来る動詞や内容を予測しやすくなります。
しかし主語を落とすと、
文の先が読めません。
結果として、
毎回ゼロから処理することになり、
脳の負担が大きくなります。
長文になるほど一気に崩れる
短文ならなんとか分かる。
でも長くなると急に分からなくなる。
こう感じる人は多いです。
その原因の一つが、
長い文の中でも主語と動詞の骨格を保てていないことです。
要するに、
細かいところが弱いのではなく、
土台が崩れている状態です。
なぜ主語を見失うのか
ここからは原因を整理します。
主語を見失う人には、
かなり共通したパターンがあります。
文の最初を軽く聞いてしまっている
英語は基本的に、
文頭に主語が来ます。
つまり、
最初の数語が非常に重要です。
ところが、
多くの人は聞き始めを軽く流してしまいます。
最初はまだ準備中の感覚で聞いている。
耳が温まっていない。
意味が始まるのはもう少し後だと無意識に思っている。
この聞き方をしていると、
文の入口でつまずきます。
入口を落とせば、
その後の理解は不安定になります。
知っている単語に意識を奪われている
英語を聞いていると、
知っている単語が出た瞬間にそこへ意識が集中します。
たとえば、
important、project、meeting、yesterday のような単語です。
確かに意味のある単語ですが、
それだけで文の骨格は作れません。
文の中心は、
SとVです。
にもかかわらず、
目立つ内容語ばかり追ってしまうと、
肝心の主語と動詞が抜けます。
修飾を本体だと思って聞いてしまう
英語では主語の後ろに、
説明が長く続くことがあります。
The man who was standing near the entrance called my name.
この文の主語の核は The man です。
しかし、
who was standing near the entrance の部分に気を取られると、
主語の本体がぼやけます。
その結果、
何の話を聞いていたのかが分からなくなります。
日本語の感覚で最後まで待ってしまう
日本語は述語が最後に来やすい言語です。
そのため、
最後まで聞いてから意味をまとめる癖がついている人は多いです。
ですが、
英語は前から意味を確定させる言語です。
主語が来たら、
まず誰の話かを確定する。
動詞が来たら、
何をしたのかを確定する。
この前からの処理ができないと、
英語の流れに置いていかれます。
聞こえた音を一時保持できていない
主語が聞こえても、
その後の情報を処理している間に忘れてしまう人もいます。
これは短期記憶の問題というより、
保持の仕方の問題です。
主語をただ聞くだけでは残りません。
主語を聞いた瞬間に、
誰の話かをラベル化する必要があります。
たとえば、
he なら 男性1人。
the company なら 会社。
my teacher なら 先生。
このように頭の中で即座に置き換えると、
主語が保持しやすくなります。
なぜ修飾語に引っ張られるのか
主語を見失う人は、
修飾語への対処がうまくいっていないことが多いです。
ここを理解すると、
聞き方がかなり変わります。
英語の情報量に全部反応してしまう
聞こえたものを全部処理しようとすると、
脳の容量がすぐ埋まります。
その結果、
最優先で押さえるべき主語と動詞が抜けます。
リスニングでは、
すべてに同じ重みを置いてはいけません。
まず骨格。
細部はその後です。
この優先順位が大事です。
関係詞や前置詞句が長く感じる
特に苦手意識が出やすいのが、
who、which、that、with、for、in などで広がる部分です。
これらは情報を増やしますが、
文の中心そのものではないことも多いです。
たとえば、
The student in the blue jacket who talked to the professor after class missed the deadline.
ここで一番大事なのは、
The student missed です。
残りは、
その学生を説明している情報です。
この感覚がないと、
長い説明に飲み込まれて主語が消えます。
意味の面白い部分ばかり追ってしまう
人は印象の強い情報に引っ張られます。
blue jacket や professor や after class のような具体語は、
頭に残りやすいです。
しかし、
それらは場面を彩る情報であって、
骨格ではないことがあります。
面白い単語が多いほど、
逆に主語と動詞を見失いやすくなる。
これはよくある落とし穴です。
S/Vだけ拾う訓練法
ここからが本題です。
主語を見失わない耳を作るには、
一度、全部理解しようとする姿勢を手放す必要があります。
最初にやるべきことは、
S/Vだけを拾う訓練です。
訓練の基本方針
この訓練では、
完璧な和訳を目指しません。
細かい意味も後回しです。
目的は、
英語の骨格を前から掴むことです。
最初はかなり物足りなく感じるかもしれません。
ですが、
ここを飛ばすと、
いつまでも長文で崩れます。
ステップ1 主語だけを拾う練習
まずは、
音源を聞いて主語だけを言う練習から始めます。
聞き方のルールはシンプルです。
- 1文を聞く
- 誰の話かだけ答える
- 内容理解は求めない
たとえば、
My brother is looking for a new apartment.
この場合、
答えるのは my brother だけです。
この練習の目的は、
文頭への集中を作ることです。
最初の数語に意識を集める癖がつきます。
ステップ2 S/Vだけを書き出す
次に、
主語と動詞だけをメモします。
例文で見てみます。
She was trying to finish the report before noon.
この文なら、
She / was trying です。
report や before noon は、
いったん無視します。
最初は本当にこれだけで大丈夫です。
この練習で重要なのは、
動詞を見つける感覚を育てることです。
英語は動詞が見えた瞬間に、
文の軸が立ちます。
ステップ3 修飾を削って骨格だけ残す
スクリプトがある音源なら、
紙や画面で修飾を削る練習が効果的です。
たとえば、
The woman who lives next door has started a new job.
この文なら、
まず骨格を見ます。
The woman has started.
who lives next door は説明です。
このように、
説明を外しても文が成立する部分を見つける。
これを繰り返すと、
耳でも骨格を追いやすくなります。
ステップ4 聞いた瞬間に仮確定する
主語が出た瞬間に、
誰の話かを仮確定します。
動詞が出た瞬間に、
何をしたのかを仮確定します。
ここで大切なのは、
完璧を待たないことです。
英語リスニングが苦手な人ほど、
確信が持てるまで判断を先延ばしにしがちです。
ですが、
先延ばしにすると情報が積み上がり、
処理が苦しくなります。
少し曖昧でも前から仮置きする。
この処理が大事です。
ステップ5 最後に補足情報を足す
S/Vを掴んだあとで、
残りの情報を足していきます。
たとえば、
The manager changed the schedule because of the weather.
まずは、
The manager changed.
そのあとで、
何を変えたのか。
なぜ変えたのか。
を追加します。
この順番なら、
内容が崩れにくくなります。
実際にどう拾うのか文で確認
ここでは、
主語を見失いやすい文をどう処理するかを見ていきます。
例1 シンプルな文
I forgot my keys this morning.
拾うべき骨格は、
I forgot です。
まず、
私は忘れた。
そこが取れれば、
何を忘れたかは後から足せます。
例2 前置詞句が入る文
The book on the table belongs to my sister.
拾う骨格は、
The book belongs です。
on the table は、
本の位置を説明しているだけです。
ここに引っ張られすぎないことが大切です。
例3 関係詞が入る文
The boy who won the contest gave a speech.
拾う骨格は、
The boy gave です。
who won the contest は、
その少年を説明している情報です。
例4 受け身の文
The meeting was canceled بسبب the storm.
この文は本来英語としては、
The meeting was canceled because of the storm.
骨格は、
The meeting was canceled です。
受け身では、
be動詞+過去分詞のまとまりを動詞として捉える意識が必要です。
例5 主語が長い文
The changes in the company policy over the last few months have confused many employees.
骨格は、
The changes have confused です。
in the company policy や over the last few months は、
主語を説明している情報です。
このように、
長い主語でも核だけを見る癖をつけると崩れにくくなります。
伸びない人の共通ミス
S/V訓練はシンプルですが、
やり方を間違えると効果が薄くなります。
ここでは、
特につまずきやすい点をまとめます。
最初から全文理解を求める
S/V訓練をしているのに、
結局すべての意味を取ろうとしてしまう。
これは非常によくある失敗です。
ですが、
全部を追うモードに戻ると、
骨格優先の感覚が育ちません。
最初はあえて不足感を受け入れることが必要です。
動詞を品詞で見分けられていない
主語はなんとなく分かっても、
動詞が曖昧な人は多いです。
特に、
be動詞、進行形、受け身、助動詞つきの動詞を一まとまりで捉えられていないと、
Vを落としやすくなります。
たとえば、
is running
has finished
will change
was invited
これらは、
一まとまりの述語として聞く意識が必要です。
速すぎる音源で練習する
速い音源で崩れているのに、
さらに速いもので鍛えようとする人がいます。
ですが、
構造が見えない速度で繰り返しても、
崩れた聞き方が固まるだけです。
最初は0.8倍、
場合によっては0.75倍でもかまいません。
骨格が見える速度で練習することが大切です。
一回聞いて終わる
一度で聞き取れなかったから自分は苦手だ、
と判断してしまう人もいます。
でも訓練では、
一回目で全部取る必要はありません。
1回目は主語。
2回目は動詞。
3回目は補足情報。
このように役割を分けると、
耳が育ちやすくなります。
スクリプト確認が雑
答え合わせのときに、
なんとなく見て終わるのもよくありません。
大事なのは、
どこを主語と捉えるべきだったのか。
どこが動詞だったのか。
なぜそこを聞き落としたのか。
を具体的に確認することです。
ただ正解を見るだけでは、
次に活きません。
今日から回せる1週間の実践メニュー
ここでは、
主語迷子を改善するための1週間メニューを紹介します。
1日15〜20分でも大丈夫です。
大切なのは、
毎日同じ狙いで繰り返すことです。
Day1 主語だけを拾う
- 短い英文音源を使う
- 1文ごとに止めて誰の話かだけ答える
- 10〜15文やる
この日は、
意味理解を求めすぎないことが大切です。
まずは文頭への集中を作ります。
Day2 S/Vだけメモする
- 前日と同じ難易度でよい
- 主語と動詞だけ紙に書く
- 細部は捨てる
動詞を一まとまりで取る意識を持つと効果的です。
Day3 修飾を削る
- スクリプトつき音源を使う
- 主語説明や前置詞句を線で消す
- 骨格だけ音読する
見て分かる骨格を、
耳でも分かるように近づけていきます。
Day4 長めの主語に慣れる
- 関係詞や前置詞句が入る文を選ぶ
- 主語の核を先に言う
- その後に動詞を言う
長い文でも、
核は短いことを体で覚える日です。
Day5 通常速度でS/Vを拾う
- 速度を通常に戻す
- 止めすぎずに聞く
- 1回目で主語、2回目で動詞を確認する
ここで少し実戦感が出てきます。
Day6 内容理解とつなげる
- S/Vを取ったあとで補足情報を追加する
- 誰が何をしたかを1文で説明する
- 必要なら日本語で要約する
骨格と内容理解を接続する日です。
Day7 総復習
- 1週間で使った音源を聞き直す
- 最初より主語迷子が減ったか確認する
- 苦手パターンを1つメモする
このとき、
ただ聞けたかどうかだけでなく、
どんな文で崩れやすいかを把握することが重要です。
たとえば、
- 関係詞で崩れる
- 受け身で動詞を見失う
- 主語が長いと保てない
のように弱点が見えれば、
次の練習がかなり効率化します。
よくある質問
主語を見失う悩みはかなり共通しているので、
よくある疑問も整理しておきます。
Q. 単語力が足りないから主語を見失うのですか。
単語力の影響がゼロではありません。
ですが、
主語迷子の主因は単語不足より、
骨格の拾い方にあることが多いです。
知っている単語が多いのに崩れる人ほど、
S/V訓練の効果が出やすいです。
Q. ディクテーションとどちらを優先すべきですか。
主語を見失うタイプの人は、
最初はS/V訓練を優先した方が効率的です。
いきなり全文ディクテーションにすると、
細部に意識が散って骨格が育ちにくいことがあります。
まず骨格。
そのあとで全文処理。
この順番がおすすめです。
Q. 子ども向けの簡単な音源から始めた方がいいですか。
はい。
むしろ最初は、
簡単すぎるくらいで大丈夫です。
難しい音源で崩れながら続けるより、
簡単な音源でS/Vが見える感覚を作る方が伸びます。
Q. どれくらいで変化を感じますか。
早い人なら、
数日で聞き方の変化を感じます。
特に、
文の最初に集中する感覚や、
主語を先に確定する意識は比較的すぐ変わります。
ただし、
自動化には反復が必要です。
1週間で土台を作り、
2〜4週間で安定させるイメージで進めるとよいです。
まとめ
英語リスニングで主語を見失うのは、
耳が悪いからでも、
才能がないからでもありません。
多くの場合、
文の骨格より先に細部を追ってしまっていることが原因です。
英語理解の軸は、
S(主語)とV(動詞)です。
ここを前から確定できれば、
長い文でも崩れにくくなります。
今回のポイントを整理すると、
- 文頭の主語を最優先で拾う
- 動詞が出たら骨格を確定する
- 修飾語は本体ではなく補足として扱う
- 最初はS/Vだけで十分
- 速度より骨格が見える感覚を優先する
ということです。
主語迷子を直したいなら、
まずは全部理解しようとしないこと。
そして、
S/Vだけを拾う訓練を1週間続けてみてください。
英語が前から整理されて聞こえる感覚が、
少しずつ育っていきます。